ファクタリングで「督促」や「取り立て」はあるのか?
「ファクタリングを利用したら取り立てを受けた」「返済が遅れて厳しい督促が来た」という声を見聞きしたことはありませんか?
結論から言えば、正規のファクタリング契約では、違法な督促や取り立て行為は一切行われません。
なぜなら、ファクタリングは貸付(融資)ではなく、あくまで**「売掛債権の売却」**だからです。しかし一部には、違法業者やヤミ金まがいのファクタリング業者が存在し、取り立て被害も報告されています。
この記事では、ファクタリングにおける「督促」や「取り立て」の正しい意味、注意すべき業者の特徴、そして安心して使える業者の見極め方を解説します。
ファクタリングとは?督促や取り立てが発生する仕組み
ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権(請求書)をファクタリング会社に売却して早期資金化するサービスです。借入とは異なり、返済義務は基本的に発生しません。
督促が発生するケースは主に以下の3つ
- 売掛先からの入金遅延・未回収(3社間ファクタリングの場合)
- 利用企業が入金資金を使ってしまい支払えなくなった(2社間ファクタリング)
- ウィズリコース契約での債権回収不能(支払い義務あり)
上記は契約条件に基づく正当な請求であり、丁寧に対応する業者であれば問題はありません。
違法なファクタリング督促・取り立ての実態
悪質なファクタリング会社や闇金業者は、以下のような違法行為に及ぶことがあります:
- 深夜や早朝の電話、何度も繰り返す着信
- 恫喝的な口調での支払い催促
- 「家族に連絡する」「会社に押しかける」といった脅し
- 不当な金利や手数料の請求
- 契約書の未交付・内容の隠蔽
これは明らかに貸金業法、特定商取引法、民法などに抵触する違法行為です。
こうした業者は「給与ファクタリング」「個人向け即日現金化」などの形で営業している場合もあり、特に注意が必要です。Z
ファクタリングで合法的に行われる「督促」の例
正規のファクタリング業者であれば、以下のような範囲内での「支払い確認」が一般的です:
- 契約に基づく期日を過ぎた場合の確認連絡(メールや電話)
- 売掛先企業に対する入金確認(3社間)
- 書面での督促状送付(内容証明など)
これらは法律に則った対応であり、「督促」というよりも「確認作業」に近い性質のものです。
取り立てと混同すべきではありません。
正規のファクタリング業者を見極めるチェックポイント
✅ 必ず確認したい7つの要素
- 契約書の交付と内容説明が丁寧
- 法人登記が確認できる(会社情報が明記されている)
- ファクタリング手数料が明確(5~20%程度が相場)
- 2社間/3社間の違いとリスクを丁寧に説明してくれる
- 売掛先に関する情報の取り扱いに配慮している
- 相談窓口や担当者の連絡先が明示されている
- 顧客対応が誠実・丁寧
違法な取り立て被害にあった場合の対処法
証拠を確保する
- 音声の録音、SMSやメールの保存
- 契約書・入金履歴・請求書の保管
実際に起きたファクタリングの取り立てトラブル事例
トラブル事例①:債権売却後に売掛先が倒産、返済請求が殺到
東京都内の製造業A社は、資金繰り悪化の中、ファクタリング会社Bと2社間契約を結び、200万円の売掛債権を譲渡。しかしその後、売掛先が倒産してしまい、入金が得られないまま。
ファクタリング会社Bは「ウィズリコース契約だった」と主張し、全額の返還請求と遅延損害金を加算した取り立てを行った。しかもその督促は深夜・早朝にも及び、恐怖を感じた経営者が弁護士へ相談。調査の結果、契約書には返還義務の詳細が不明確だったことが発覚し、法的紛争に発展した。
教訓:契約形態(ウィズリコース or ノンリコース)の明記を必ず確認し、万が一の事態を想定した条項を読み込むことが重要。
トラブル事例②:給与ファクタリングを装った違法融資、取り立てでうつ病に
個人事業主C氏は「即日資金化・審査なし」の広告を見て給与ファクタリングを利用。実際には売掛債権ではなく、個人の報酬(給与)を担保にした違法貸金行為であり、契約後に月利40%以上の金利請求と日々の電話・LINEによる取り立てが続いた。
さらに、事業用スマホの通話録音を盗聴まがいに利用され、「支払わないと顧客にバラすぞ」という脅迫を受け、精神的に追い詰められたC氏はうつ病を発症。最終的に弁護士を通じて訴訟を起こし、違法契約と認定された。
教訓:「給与ファクタリング」は違法。個人情報の悪用・脅迫の温床になるため、絶対に利用しないこと。
トラブル事例③:契約書不交付のまま取り立て、裁判で契約無効に
IT系ベンチャーD社は、創業3ヶ月目に資金繰りが苦しくなり、ネット検索で見つけたファクタリング会社Eと即日契約。しかし、契約書は「後日郵送」と言われたまま送られず、口頭での合意により80万円の請求書を現金化した。
数ヶ月後、支払いトラブルが発生し、E社は社長の自宅に直接訪問、出勤先にも電話を繰り返すという違法取り立てを開始。D社が弁護士に相談した結果、「契約書未交付=契約成立要件不備」として契約自体が無効と判断され、全額返済義務は否定された。
教訓:契約書が交付されない取引は、そもそも成立していない可能性が高い。絶対に書面を確認してから契約すべき。
これらの事例から学べるのは、以下の3点です:
- 契約形態と条項は必ず確認・保存すること
- 個人向けや即日・審査不要を強調する業者には要注意
- 異常な取り立てに対しては、すぐに専門機関へ相談すること
相談窓口を活用する
- 消費生活センター(188)
- 法テラス(無料法律相談)
- 最寄りの警察署
- 弁護士(特に債権回収・金融トラブルに強い専門家)
「これって違法かも…?」と感じたらすぐ相談しましょう。
違法な督促行為を放置すると、企業の信用や取引先関係に悪影響を及ぼす恐れもあります。
よくある質問(FAQ)
- 1. ファクタリングで督促されるのは違法ではないのですか?
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正規契約に基づく支払い催促であれば違法ではありません。
しかし脅迫的・威圧的な言動がある場合は違法の可能性があります。 - 2. 支払いが遅れたらどのような対応があるのでしょうか?
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正規業者であれば、まずは電話やメールで連絡があります。状況説明をすれば、分割相談などに応じてくれるケースもあります。
- 3. 督促されたくない場合、どうすればよいですか?
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売掛先の信用力を十分に調査し、期日通りに入金される債権のみをファクタリングに出すことが重要です。また、契約内容をしっかり確認し、ウィズリコースであれば返済リスクも踏まえておきましょう。
- 4. 違法なファクタリング業者を見分けるには?
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「即日資金化・審査なし・誰でもOK」など過度な広告や、契約書の提示を拒む業者は要注意です。法人番号や所在地、代表者名の確認も有効です。
- 5. 給与ファクタリングと企業向けファクタリングは違うの?
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給与ファクタリングは個人の給与債権を対象にしたもので、現在は違法とされています。本記事で解説しているのは法人・事業者向けの合法的な資金調達手段です。
まとめ|ファクタリングの取り立ては違法?正しい知識と業者選びがカギ
「ファクタリング 督促」や「ファクタリング 取り立て」という言葉には、どうしても不安なイメージがつきまといます。しかし、それは主に違法業者や闇金まがいの事業者による被害が原因です。
実際のところ、ファクタリングは:
- 契約内容に基づく請求であれば合法
- 違法な取り立ては一切認められていない
- 正規業者を選べば安全な資金調達手段である
という明確な特徴があります。
正しい知識を持ち、契約内容を理解し、信頼できる業者を選ぶこと。
それがファクタリングトラブルから自社を守る最善の方法です。
