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金繰りの基本

資金繰りの基本は《早く入れて、遅く出す》こと。

では、なにを早く入れて遅く出すのかというと、”資金(キャッシュ)”です。しっかりと資金繰り管理が出来ている会社であれば当たり前のことですが、資金繰りを重要視していないとこの基本も忘れ去られてしまっています。

例えば、営業担当が売上を上げることばかりに集中しすぎてしまい、資金の回収を忘れ、遅れているような会社もあります。また、新規取引の際に資金の回収を早めようとの意識が無く交渉もせずに取引相手の言いなりになってしまっているパターンもあります。これでは、いくら売上を上げても資金が不足し、黒字倒産に近い状態に陥る可能性があります。

資金はなるべく早く回収することが基本になります。

しかし、決して「商習慣を破り相手との取引が停止になるほど極端に資金回収を早めろ」という意味ではありません。あくまでも普段から「早めに資金を回収する」という意識を持つなど、できる範囲の中で資金回収は早めるべきです。逆に、仕入れ取引や経費支払いを行う場合には、なるべく”資金払いを遅く”するべきです。

例えば、大量の仕入れを行い販売するまでにタイムラグが発生するのにも関わらず先払いをしていては、資金のバランスが崩れ資金ショートが起きてしまいます。これも、「通常の取引を損なうほど支払いを遅らせろ」という意味ではなく、普段から「資金の支払いはできる範囲で遅い方がいい」という意識を持つことが必要だという話です。

資金繰り悪化の原因について

資金繰り悪化の原因には、

  1. 売上の減少
  2. 経費の増加
  3. その他出費の増大
  4. 入金手段、支払い手段、入金サイト、支払いサイトの悪化
  5. 銀行取引の失敗

等が挙げられます。

売上が減少すれば資金繰りが苦しくなるというのはイメージしやすいかと思いますが、実際には予想以上に悪化します。売上減少に伴い、経費も削減できれば何も問題はないのですが、経費には固定的な支払い(固定費)も含まれているため、売上が減少しても経費は思ったほど削減できません。

このように売上の悪化は、売上悪化分を超えて資金繰り悪化に影響を及ぼします。また、経費やその他出費の増大はそのまま出費の増大(資金流出の増大)に繋がるため、資金繰りへの影響は大きいです。そのため、しっかりと入金とのバランスを取り、経費や出費を考えることが必要です。

さらに、入金手段や入金サイトからの入金までの期間が遅くなると資金繰りに影響します。また、支払い手段と支払いサイトへの支払い期間が早くても資金繰りに影響します。

銀行取引を含む資金調達や借入返済が上手くいかなくても資金繰りは悪化します。銀行から融資が出なかったり、返済を迫られたりすれば、資金繰り悪化につながるため、銀行取引については重要視する必要があります。

上記に挙げた資金繰り悪化の原因を知っていれば対策を取ることができ、資金繰り改善につながります。