今後入金される予定の売上金(売掛債権)を、業者に買い取ってもらい、先にお金を手に入れることができる「ファクタリング」。
ファクタリングを利用する中小企業は年々増えていますが、そもそもファクタリングを利用することは「違法」ではないのか、と不安な声もあがっています。
では、実際にファクタリングは法に触れることはないのか、利用する企業や売掛先の企業にとって何か害はないのかについて見てみましょう。
ファクタリングは「違法ではない」
まず、結論から言えばファクタリングは違法ではありません。
繰り返しになりますが、ファクタリングは売掛債権をファクタリング業者に売り、企業がお金を手に入れることができる仕組みです。相手の企業にも通知せず債権の買い取りを行うことができますので、資金繰りに困っているという状態を知られることなく利用可能に。
そのため、多くの中小企業がファクタリングによって資金調達を行っています。
そもそも、どうしてファクタリングが違法という疑惑があるのでしょうか。
疑惑その1・貸金業法
ひとつめが「貸金業法」に触れているのではないかという疑惑です。
銀行の融資や消費者金融など、貸金業を行っている業者に関連する法律ですが、これはファクタリングには当てはまりません。なぜなら、ファクタリングは「お金を貸す」のではなく「債権の売買」を行っているからです。
たとえば、これが債権を担保にしてお金を借りる…というものであれば、当然貸金業を行っていることになるため、法律に関係することとなります。しかし、ファクタリングはあくまで企業間での売掛債権を売買するというもの。貸金とはまったく別物のため、違法ではありません。
疑惑その2・利息制限法
ファクタリングを利用するときにかかる、手数料について。
業者に債権を買い取ってもらい、後日実際に売り上げが入金されたときに、その代金を支払う…という流れになっています。なので、もしも100万円の債権のうち90万円を買い取ってもらった場合、10%となる10万円が手数料として業者にわたることとなります。
この手数料について、利息制限法に抵触するのではという疑問が。
こちらも貸金業法と同じく「貸金」に関連した法律。とんでもない利率の利息をとられることがないよう上限を20%と決め、利用者を保護しています。
貸金業法と同じく、ファクタリングはあくまで「債権の売買」を行っているため、貸金とは関係がありません。もちろん、あまりにも高額な手数料をとる悪徳業者も中にはいますが、ほとんどの場合10%~20%が相場となっていますのでチェックを欠かさないようにしましょう。