ファクタリングとは、企業が保有する売掛金と呼ばれる債権をファクタリング会社に買い取ってもらい、現金化する資金調達方法です。
銀行融資とは違い、売掛先が倒産した等の理由で債権が回収不能になった場合の返済義務がなく、急な出費にも対応できるため、経営者を始めとした多くの人々に利用されています。
なかには即日現金化できるファクタリング会社もありますが、どの企業も条件等が同じというわけではありません。
そこで今回は、即日現金化が可能なファクタリング会社の特徴や選び方、おすすめのファクタリング会社について解説します。
ファクタリングの利用を検討している方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
ファクタリングとは?仕組みを解説
ファクタリングとは、事業者が保有する支払期日前の売掛金を売却することで、早期に現金化する資金調達方法の一つです。
ファクタリング会社に売掛金を買い取ってもらうことで、後日入る予定の売掛金分のお金を、より早く手元に置けるといったメリットがあります。
また、ファクタリングは融資でないことも特徴の一つです。
借金のように返済義務は発生せず、融資を受ける際、借入情報が登録される個人信用情報にも登録されません。
審査において、ファクタリングは銀行より審査が早いといった利点もあります。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い
ファクタリングには2社間ファクタリング、3社間ファクタリングがあります。
2社間ファクタリングとは、申込者とファクタリング会社との契約です。
売掛先に知られずにファクタリングを利用できる反面、申込者の持ち逃げ等未回収リスクが高いため、手数料の相場が9~20%と高めに設定されている特徴があります。
3者間ファクタリングとは、申込者とファクタリング会社、売掛先の3社間で交わす契約です。
申込者の売掛金をファクタリング会社へ債権譲渡するのが特徴。未回収リスクが2社間ファクタリングより低い反面、売掛先にファクタリングの利用が知られてしまうことにも留意しましょう。
即日現金化できるファクタリング会社の選び方
即日現金化が可能なファクタリング会社の選び方として以下の5点があります。
手数料が安いか
ファクタリング会社は、買い取った売掛金から手数料を差し引いて、利用者の指定口座へ入金します。
手数料が安ければ、利用者が受け取る金額も多くなります。
売掛金が多額になれば、手数料率が少し変わるだけでも手にする金額も大きく変わるでしょう。
ファクタリングの手数料は、
- 2社間ファクタリングが5~20%
- 3社間ファクタリングが2~9%
が相場とされています。
なお、3社間ファクタリングは、売掛先の同意が必要なので即日現金化には適していません。
そのため、より早く資金が必要な場合は2社間ファクタリングの手数料の安い会社を選ぶようにしましょう。
審査が早いか
審査が早いファクタリング会社を選ぶことは即日現金化には必要です。
審査に2~3日かかっていては即日現金化はできません。
ファクタリングの流れは、
- 申し込みから審査
- 見積書の提示
- 契約締結
- 現金入金
が一般的な流れです。
また、審査だけでなく、ファクタリング会社から提示された見積書を検討する時間も必要です。
そのため、即日現金化には、はじめの審査のスピードがとても大切だといえるでしょう。
来店不要でオンライン契約できるか
即日現金化を求めるのであれば、来店不要のオンライン契約ができるかも重要です。
オンラインで契約できれば、利用者が契約するためにファクタリング会社に出向く時間が省けます。
申し込みから契約まで、対面なしでオンラインで完結可能なファクタリング会社もあります。
ファクタリング会社が契約に使用するソフトは、情報漏洩する可能性が極めて低いセキュリティレベルの高いソフトを使用しているので、安心してオンラインでの契約が可能です。
少額債権のファクタリングができるか
少額債権のファクタリングが可能であるかは、個人事業主にとって大きな問題です。
ファクタリング会社の中には、少額債権を取り扱っていない会社もあります。
事業の効率化を推進し、少額債権の取り扱いが採算に合わないと考えているのがその理由です。
一方で、取扱金額に制限を設けていないファクタリング会社もあります。
少額の売掛金が多数を占める個人事業主にとって、即日現金化を検討する場合、最低取扱金額をチェックする必要があります。
個人事業主は、資金繰りの安定を図るため、少額債権を取り扱っているファクタリング会社選びはとても重要です。
信頼性のある業者か
信頼できるファクタリング会社を選ぶことはとても重要です。
ファクタリング会社は、銀行などの金融機関のように、監督官庁から免許をもらって事業運営を行っていません。
参入障壁が低いため、悪徳業者や反社会的勢力の団体等さまざまな業者がファクタリング会社と装って存在します。
手数料が相場より法外に高かったり、いい加減な契約を結ばされたりするリスクがあります。
そのためファクタリングを利用する場合は、
- 契約前にしっかり見積、契約条件を提示してくれるかどうか
- 固定電話があるかどうか
- 担当者の対応態度、不信感かないか
- ホームページの所在地は実在しているか
は最低限チェックしましょう。
なお、本記事で紹介している会社は上記の条件を満たしているため、特に注意する必要はありません。
ファクタリングで即日現金化するために注意すべきこと
ファクタリングで即日現金化を行うには次の点に注意しなければなりません。
午前中に申し込む
即日現金化するためには、申し込みを早めに、とりわけ午前中に申し込むことを推奨します。
入金までに審査や利用者の見積もりの検討、契約締結といった過程を経て入金となるためです。
審査に時間がかかるかもしれません。利用者が他社と見積もりの比較検討にも時間が必要でしょう。
夕方に申し込みを行った場合、上記の過程を踏まえて考えると、入金は翌日になる可能性が高いです。
即日現金化を考えているならば、午前中に申し込むことをおすすめします。
期日までに弁済できない場合のリスクを理解する
ファクタリングは、売掛先から売掛金が入金されると、利用者は契約に基づき、定められた支払期日までにファクタリング会社へ入金しなければなりません。
ただし、売掛先から入金がなく、回収不能となった場合には注意が必要です。
通常、回収不能となっても、利用者はファクタリング会社に支払義務はありません。
しかし、ファクタリング会社との契約で「償還請求権」がついた契約を交わしていると、ファクタリング会社は買い取った売掛金を利用者に請求できる権利を有します。
契約の際、利用者は償還請求権の有無を確認しなければなりません。
虚偽の資料を提出しない
当然ですが、虚偽の資料を提出しないことも、ファクタリングの申込には重要です。
ファクタリング会社は、利用者および売掛先との過去の取引実績を審査します。
例えば請求書や通帳の残高を改ざんするなど、虚偽の資料を提出すると、今までの取引の流れから、審査において疑問を持たれる恐れがあります。
そうした場合、審査に時間がかかるばかりか、審査に通らないことも。
また、審査に通っても返済できない場合、売掛債権の資料が虚偽であると、刑法上の詐欺罪に問われる可能性があるので絶対にやめましょう。
即日現金化できるファクタリング会社のおすすめ|法人向け
即日現金化が可能なファクタリング会社を3社紹介します。
ネクストワン
(引用:ネクストワン)
ネクストワンは資金調達率96%を誇る法人専用のファクタリング会社です。
契約方法は面談・郵送・オンラインの中から選択でき、特に即日現金を検討している利用者は、オンライン契約をおすすめします。
申し込みから契約までオンラインで可能で、契約には電子契約サービス「クラウドサイン」を採用しているのでセキュリティ面でも問題ありません。
来店しての契約が厳しい遠方の利用者に好評です。
買取金額は30万円以上で、上限金額に制限を設けていません。
手数料は2社間ファクタリングでは平均5~10%、3社間ファクタリングは平均1.5~4%であり、通常の相場より安い点も特徴の一つです。
エスコム
(引用:エスコム)
エスコムは大阪を拠点とし、スピーディーに経営に関する資金調達を提案しているファクタリング会社です。
利用金額は30万円~1億円で、入金スパンの長い運送業、建設業に実績があります。
取扱会社が少ないとされている診療報酬ファクタリングにも、エスコムは積極的に業務を展開し、医療や介護業界へのサポートに力を入れています。
契約方法は面談・郵送・オンラインの3通りで、2社間ファクタリングでは最短即日で現金化が可能です。
手数料は5~10%、3社間ファクタリングは1.5~8%と低コストで利用者にサ―ビスを提供しています。
三共サービス
(引用:三共サービス)
三共サービスには、元行員・ノンバンク社員など金融業界に精通したスタッフが在籍しているファクタリング会社です。
取扱金額は50万円~3,000万円(1社につき)で、手数料は5~8%、3社間ファクタリングは1.5~5%です。
利用者のコスト削減と利便性を考慮した良心的なサービスが実施されています。
申し込みは必要書類を揃えて来店、あるいは担当者が訪問し面談を行い、審査をします。
遠方の場合は郵送・メール・FAXにて書類の対応も可能です。
三共サービスは顧客の経営を第一に考え、ファクタリング以外の方法でも、経験豊富なスタッフが経営改善のサポートを行っています。
即日現金化可能なファクタリングのよくある質問
よくある質問として、次の4点をあげました。
給与ファクタリングとは何ですか?
給与ファクタリングとは、労働者の保有する給与債権をファクタリング会社に売却し資金調達する方法です。
しかし、貸金業者でないファクタリング会社が、給与ファクタリングを行うことは違法であるので注意しなければなりません。
2020年3月に東京地裁で判決が出ています。
給与債権は労働者へ直接払いの原則に基づき、譲渡できないという性質があります。
給与ファクタリングは給与債権を担保とした資金の貸付との見解です。
ファクタリング会社を騙して契約したらどうなりますか?
ファクタリング会社を騙して契約することは違法となるのでやってはいけません。
ファクタリング会社を騙す事例として次のようなケースがあります。
- 二重譲渡
- 存在していない債権の売却
- 計画倒産
これらはすべて入金されないことを知りながら、ファクタリング会社に買い取りを依頼する行為です。
詐欺罪に該当し、刑事罰の対象となるので、ファクタリング会社を騙しての契約は行ってはいけません。
個人事業主のファクタリング審査は緩いって本当ですか?
ファクタリング会社は、売掛先の信用状況を審査するのが一般的であるので、個人事業主であるからといって審査が緩いわけではありません。
売掛先の信用状況に懸念がなければ、個人事業主が申し込んでも問題ありません。
ファクタリング会社の中には、個人事業主の申し込みを受け付けていないファクタリング会社があるので注意が必要です。
ファクタリングを利用するにあたっては、個人事業主も申し込みの対象になっていることを忘れずに確認しましょう。
審査なしでファクタリングを利用できる?
審査なしでファクタリングの利用は通常できません。
ファクタリング会社が審査なしで売掛金を利用者から買い取った場合、売掛金が回収不能となった場合、損失を被るのはファクタリング会社だからです。
未回収リスクを抑えるためにファクタリング会社は審査を行なっているといえるでしょう。
逆に、審査なしでファクタリングを利用できる業者には注意が必要であるかもしれません。