本記事では、ファクタリングの種類や契約に至るまでの流れ、および契約時における注意点について説明しています。
この記事を読むことで、はじめてファクタリングを利用する人でも、トラブルなくファクタリングを利用して資金調達ができますので、ぜひ最後までお読みください。
ファクタリングとは?どういう意味か簡単に解説
ファクタリングとは、事業者が保有する売掛金をファクタリング会社へ売却することで、現金化が可能な資金調達方法の一つです。
特徴として、事業者は、入金期日前の売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、早期の現金化が図られ、資金繰りの安定や改善が見込まれます。
通常、ファクタリングとは、買取型を指しますが、「保証型」のファクタリングもあります。
保証型ファクタリングとは、売掛債権の貸倒リスクを回避するために、事業者がファクタリング会社と保証契約を交わすファクタリングをいいます。
万一、売掛債権が回収不能となった場合、事業者は契約に基づき、ファクタリング会社に保証金額を請求しファクタリング会社より代金回収を行います。
ファクタリング契約の種類と違い
ファクタリング契約には2種類あります。違いについて解説します。
- 2社間ファクタリング
- 3社間ファクタリング
2社間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社との契約です。
利用者は、売掛先に知られずにファクタリングを利用して資金調達が行えます ファクタリング会社にとって利用者の持ち逃げ等、未回収リスクが高いため、手数料を10~20%と高めに設定されている点が特徴です。
3社間ファクタリングとは、利用者、ファクタリング会社、および売掛先との契約です。
法律的には債権譲渡契約に該当しますので、売掛先の同意が必要。売掛先は売掛金の入金をファクタリング会社に行います。
ファクタリング会社にとって未回収リスクが低くなるため、2社間ファクタリングに比べて手数料2~10%と低く設定されているのが特徴です。
一方で、利用者は売掛先にファクタリングの利用が知られることで、信頼関係が悪化する恐れがある点も留意しておくことが必要でしょう。
ファクタリング契約の流れ
ファクタリングを利用して資金調達を行う場合、通常、以下の流れでファクタリング会社と契約をします。
- ファクタリング会社に事前相談をする
- 契約を申し込む
- 審査を受ける
- 契約を結ぶ
- 入金される
それぞれについて解説します。
ファクタリング会社に事前相談をする
保有する売掛金を買い取ってもらえるのか、どれくらいの金額が調達可能なのか等を知っておくために、ファクタリング会社に事前相談を行うことを推奨します。
費用もかかりませんし納得できるまで相談可能です。
相談だけでもOKなので、他社との比較を行うことで、ファクタリング会社選びの失敗を避けられます。
事前相談には、急な資金調達にも即日対応している、資金調達率96%のネクストワンをおすすめします。
申し込みを行う
利用するファクタリング会社が決まれば、利用者は申し込みを行います。
申し込み方法はファクタリング会社によりさまざまですが、主に次の方法があります。
- 来店訪問
- 電話
- 郵送
- インターネット
最近では申込から契約までをインターネットのみで完結するオンラインファクタリングが可能な企業が増加しています。
情報流出等セキュリティ面で不安に思える場合は、来店訪問での申し込みの受付を行っているファクタリング会社を利用するのがいいでしょう。
審査を受ける
申し込みを行った利用者は、ファクタリング会社の審査を受けます。
申し込みを受けたファクタリング会社は審査に必要な書類を利用者に伝えます。
ファクタリング会社により必要となる書類はさまざまですが、以下の4つが主な必要書類です。
- 本人確認書類
- 売掛金を証明する請求書類
- 決算書(個人事業主の場合、確定申告書)
- 事業で使っている通帳の出入り明細
主に売掛先の信用状況について審査を行うのが一般的です。
審査には1~3日かかる場合が多いですが、なかには最短1時間で済むファクタリング会社もあります。
契約を結ぶ
審査に通ると、ファクタリング会社は利用者に見積書の提示を行います。見積書の内容に問題なければ、利用者はファクタリング会社と契約を結びます。
通常、契約書は2通作成し、1通はファクタリング会社、そしてもう1通は利用者本人あてです。
契約内容に関して、ファクタリング会社から説明がありますが、利用者自身、契約内容について、不明な点がないように、納得いくまでファクタリング会社から説明を受けましょう。
入金される
契約を結ぶと、ファクタリング会社から、利用者の指定口座に入金されます。
買取金額から手数料をはじめとする諸費用が差し引かれて入金されるのが一般的です。
契約時に提示された日にち、入金金額等に相違ないか利用者はチェックしましょう。
ファクタリングの契約書で確認すべきポイント
利用者はファクタリング会社と契約することで、資金調達が可能です。
契約に際して、利用者は契約書についての内容を把握しておかねばなりません。
通常、下記の事項が契約書に記載されていることが多いので、理解しておくことが重要です。
- 債権譲渡通知
- 債権譲渡登記
- 手数料
- 担保の取得の有無や内容
- 報告義務
- 損害賠償・違約金
- 契約の解除
- 契約期間と解約方法
それぞれについて解説します。
債権譲渡通知
債権譲渡通知とは、利用者が保有する債権を、ファクタリング会社に譲渡したことを、利用者の債務者である売掛先に対して変更した旨を通知することです。
3社間ファクタリングに使われ、売掛先は売掛金をファクタリング会社に支払うことになります。
事前に債権譲渡を売掛先に通知し、売掛先の同意を得ることを必要とします。
債権譲渡登記
債権譲渡登記とは、債権者が変更になったことを知らせるために登記を行うことです。
登記は、第三者への対抗要件であるため、ファクタリング会社は、債権者の変更を主張するために、登記を行うケースがあります。
登記を行う場合、利用者が登記費用を負担しなければなりません。
また、2社間ファクタリングの場合、債権譲渡登記を行うと、第三者にファクタリング利用が知られてしまうので、利用者は必ず債権譲渡登記の有無を確認しましょう。
手数料
ファクタリングを利用するにあたって、利用者はファクタリング会社より手数料を支払う必要があります。
通常、2社間ファクタリング、3社間ファクタリングではおおよその相場があり、2社間ファクタリングでは10~20%、3社間ファクタリングでは1~9%とされています。
ファクタリング契約には、手数料以外に印紙代やファクタリング会社の担当者が契約で訪問する場合、旅費などは利用者負担なので、諸費用にどれくらい必要なのかを認識しておきましょう。
担保の取得の有無や内容
ファクタリングは融資でないので、通常ファクタリング会社は担保や保証人を取得することはありません。
にもかかわらず、ファクタリング契約において、担保や保証人を取得する旨の内容が記載しており、売掛先から回収不能となった場合、担保として差し出した不動産等を奪われる恐れがあります。
契約書に担保や保証人が必要である内容が記載されているのであれば、契約を中止しましょう。
報告義務
ファクタリング契約において、報告義務が課されている場合、利用者は売掛先の状況等をファクタリング会社に報告する義務を負います。
売掛先と接する機会がないファクタリング会社にとって、売掛先の動向を把握できないからです。
ファクタリング会社が報告義務を怠ったために損害を受けた場合、利用者はファクタリング会社から損害賠償請求を受けるリスクがあるので、報告義務を怠らずに行いましょう。
損害賠償・違約金
利用者はファクタリング会社との契約により資金調達が可能となります。
契約書に記されている事項について詳細にわたり利用者は確認し、守らなければなりません。
利用者が記載事項についての義務を怠った場合、損害賠償や違約金を請求される場合があるので注意が必要です。
ただし、利用者にとってあまりにも不利益な損害賠償や違約金が契約書に付されている場合、契約の見直しを考えることも必要でしょう。
契約の解除
ファクタリング契約中において、利用者が契約に反する違反を犯した場合、ファクタリング契約を強制的に解除されるので注意が必要です。
現金化された資金を返金しなければなりません。
利用者は、どのような行為が契約の解除につながるのかを、契約書に記載されている内容を確認するようにしましょう。
犯しがちな違反
・売却した債権が入金したにもかかわらず、ファクタリング会社に払わなかった。
・複数のファクタリング会社に、同じ債権を売却してしまった。
など
契約期間と解約方法
ファクタリング会社の中には契約期間を数ヶ月間の契約にしているところもあります。
毎回ファクタリング契約を行う手間が省けるので、利用者、ファクタリング会社ともにメリットがあります。
注意点として、このファクタリング契約が、利用者が望んでいない契約期間であったり、
自動で契約を更新されたり、解約できない契約であったりしないのかを契約時に確認しておく必要があるでしょう。
ファクタリング契約のFAQ
よくある質問として、以下の2点があります。
- ファクタリング契約の入金から支払いまでは何ヶ月ぐらいかかる?
- ファクタリング契約に必要な書類は?
ファクタリング契約の入金から支払いまでは何ヶ月ぐらいかかる?
ファクタリング会社からの入金から支払いまでの期間は、ほとんどの場合、売掛金の入金期間を意味します。
業種により異なりますが、2~3ヶ月が一般的とされています。
利用者は売掛先から入金があれば、速やかにファクタリング会社に入金する必要があります。
売掛金入金からファクタリング会社への入金期間については、契約書に記載されていることがほとんどなので、利用者は遅滞なく入金しなければなりません。
ファクタリング契約に必要な書類は?
通常、ファクタリング契約を行う際に、各ファクタリング会社所定の契約書に添付する書類として、利用者が準備する書類は以下の書類が一般的です。
- 印鑑証明書
- 納税証明書
- 登記簿謄本 など
ファクタリング会社により異なる場合があるので、必ず契約を交わすファクタリング会社に確認しましょう。